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2024年度加入ステーション数
(2024年07月24日現在)
688ステーション

今年度の活動方針

  東京都訪問看護ステーション協会では、「東京都訪問看護キャリアラダー」「東京都の訪問看護将来ビジョン~2025年に向けて~」を作成し、会員だけでなく広く東京都内の訪問看護ステーションに活用していただき、訪問看護師の人材確保と定着、資質の向上、機能拡大を目指しています。東京都の訪問看護ステーション稼働数の推移をみると、年々伸び続けています(資料1)。新規開設のステーションも増加しており、営利法人の参入がステーション数増加に寄与しています(資2)。新規開設のステーションが増える中、閉鎖や休止していくステーションもあります(資料3)。閉鎖や休止していくステーションの背景には、経営困難、後継者がいないなど様々な理由が考えられます。訪問看護ステーション数の増加とともに、訪問看護の利用者数も増えています(資料4)。介護保険、健康保険等の割合の推移をみると、健康保険等による利用者数の割合が年々増えており(資料5)、医療ニーズの高い利用者が増加していると考えます。

人材確保と定着

訪問看護の利用者数が増え、多様化する医療介護ニーズに対応していくためにも、訪問看護師の人材確保と定着に積極的に取り組んでいく必要があります。経験の浅い看護師をフォローし、50歳以上の看護師でも無理なくて働き続けられる環境作りへの取り組みを始めます。

資質の向上

ステーションの訪問件数を増やすことのみに注力し、訪問看護師が疲弊している現実もある中、「数をこなす訪問看護」ではなく「質を提供する訪問看護」である必要があります。そのためにも、訪問看護の制度や役割について、現役の訪問看護師へ伝えていくことも重要です。訪問看護の資質を担保するための教育の充実を図り、医療介護福祉従事者に「訪問看護」を正しく理解していただき、適切な看護を届けられるよう、訪問看護の普及啓発に努めていきます。

機能拡大

新型コロナウィルス感染症蔓延を機に、陽性者への訪問看護や健康観察等の事業を通じ、行政をはじめ地域の医療介護福祉関係機関から、訪問看護ステーションの新たな社会的役割を認識され、診療報酬、介護報酬以外の事業も期待されています。新規開設の訪問看護ステーションが地域に根付き、長年存続してきたステーションが事業継続できるよう、地域で協力し、今後も起こりうる感染症や災害において、予防、拡大防止、安全な療養環境の提供など、訪問看護師の役割を発信していきます。
東京都訪問看護ステーションでは、地域住民に最も近い存在である訪問看護ステーションの視点を活かし、地域に密着した訪問看護ステーションとしての役割を広げ、地域共生社会の実現を目指 します。

 

 

理事会

 

第1回(令和5年7月24日)

審議事項

1.組織見直し検討会の設置について

2新理事紹介

 

第2回(令和6年3月18日)

  審議事項

1.次年度 計画について        

   総会(事業報告会)  6月8日(土)                      

2.次年度予算について             

3.新規委託事業について

(1)文京区保育園医療ケアバス支援事業

(2)杉並区立身体障害者送迎時の医療ケア提供

 

第3回(令和6年5月30日)

審議事項(総会)

1.令和5年度実績・決算報告について 

2.令和6年度計画・予算案について

3.定款について

4.会費について

5.委託事業事務局経費について

 

 

総務会

 

第1回(令和5年7月24日)

審議事項

1.組織見直し検討会の設置について 

2.新理事紹介    

 

第2回(令和5年9月27日)

  審議事項

1.東京都医師会「シミュレーターを活用したフィジカルアセスメント」開催について     

2.文京区、杉並区からの医療ケア児・者のバス送迎の契約について 

3.理事の任期・要件について 

 

第3回(令和5年10月4日)

 審議事項

1.東久留米市学校での医療ケアの実施状況報告と今後について   

2. 墨田区人工呼吸器用バッテリーの管理委託について     

3.災害状況報告ページの項目追加について         

 

第4回(令和5年11月20日)

審議事項

1. 委員会手当の税務上の扱いについて                  

 

第5回(令和5年12月18日

  審議事項

1. 次年度 協会方針について    

2.次年度総会について         

第6回(令和6年2月19日)

審議事項

1.杉並区・文京区における医療ケアバス支援協力について   

2.令和5年度計画について     

 

 

第7回(令和6年3月18日) 

審議事項

1.次年度計画について                      

総会(事業報告会)  6月8日(土)

2.次年度予算について                     

3.新規委託事業について

①文京区保育園医療ケアバス支援事業   

②杉並区立身体障害者送迎時の医療ケア提供

 

第8回(令和6年4月23日)     

審議事項

1.総会開催要項

2.令和6年度事業計画・予算の確認

3.理事・委員会の委員の交代について

4.新規委託事業について
・墨田区地域移行支援委託事業 

5.「ほなと」商標登録継続について 

6.日本訪問看護財団表彰者の推薦について

7.全国訪問看護事業協会

 

第9回(令和6年5月30日)     

審議事項

1.令和5年度実績・決算報告について

2.令和6年度計画・予算案について

3.定款について

4.会費について

5.委託事業事務局経費について

 

 委員会活動

 

訪問看護推進委員会 (概ね月1回 開催)

 

Ⅰ.活動目標

 1.都内の訪問看護への就業を促進するために、より多くの看護学生が新卒、既卒での訪問看護師になるための道筋が立てられるよう支援する

 2.その人らしさを支え、切れ目のないケアを提供するために、病院看護師に訪問看護を知ってもらい訪問看護の活用を促進する

 3.訪問看護フェスタの地域版実施について地区支部委員会と共同検討し、訪問看護ステーションの役割を発信する

 

Ⅱ.主な活動内容

1.多くの学校へのチラシ配布だけでなく、委員のステーションに実習に来ている学校の先生にも声をかけて募集しましたが9名しか集まらなかった。その為、春は募集学年を限らずに、訪問看護に興味のある学生すべてを対象とした。参加学生からの現地での開催の希望もあり、学生のニーズを把握するためにアンケート内容を一部追加し、来年度に繋げていく。

2.今年度は基礎編と応用編を実施した。基礎編では、同じ病院からの参加者もいたが40名の退院調整看護師の参加があった。応用編では35名だった。お互いの状況を理解し合え、顔の見える連携に繋がったと意見をもらえた。今後も継続していく。

3.地区支部委員との活動には取り組めなかった。訪問看護を地域、病院、看護師へ推進するうえでは必要になってくるので検討課題となる。

 

広報委員会 (9回開催)

 

Ⅰ.活動目標

 1.会員に向けて、広報誌やホームページを含むソーシャルネットワーキングの充実を検討・実施し、協会内の活動と取組みの情報共有ができる広報発信の強化

 2.その他の及び訪問看護に興味のある看護師・看護学生に向けて、訪問看護の理解・その魅力を啓蒙できる媒体構築に向けての活動

 3.医療機関や多くの医療者、都民へ、協会活動を含む訪問看護の活用や訪問看護の事例等が紹介できるソーシャルネットワーキングシステム構築に向けての活動

 

Ⅱ.主な活動内容  

 1.協会運営や委員会活動、研修、地区支部活動等を盛り込んだ広報誌(そわにえ)医療機関の退院支援室や保健所・保健センターなど関係機関に送付した。

 2.ホームページやソーシャルネットワーキングの充実を検討しつつ、会員や訪問看護に興味のある看護師、訪問看護に興味を持ってもらえるよう看護学生に向けて 情報を発信した。

 3.ホームページで訪問看護導入方法や訪問看護の具体的内容、活用方法、実際の事例で理解できる紹介ページの次年度へ向けて継続。

 

研修委員会(概ね1ケ月に1回開催

 

Ⅰ.活動目標

 1.東京都内の訪問看護師に向け新人看護師へ訪問看護の独自性や魅力を伝えることで、訪問看護師としてのアイデンティティを育成し人材定着につなげる 

 2.中堅看護師のキャリア開発や教育指導方法の支援、あるいは、ケアにおける倫理的課題や組織内課題を乗り越えられるようサポートし、事業所のケアの質の向上につなげる

 

Ⅱ.主な活動内容

 1.総務会と協働で訪問看護師の質の向上及び事業所内で特に中堅向けの実践や教育の補助となる研修の実施 

  (1)精神科算定要件研修3回/年

  (2)請求業務研修 オンデマンド配信

  (3)災害対策研修 オンデマンド配信

 2.キャリアラダーに沿った研修の実施

  実績は、下記の通り

 

地区支部委員会 (全体会1回、各地区支部での活動)

 

Ⅰ.活動目標

 1.地域共生社会構築に向け、地域の保健福祉医療事業に訪問看護ステーションが積極的に関わるよう、地域行政、他職種との連携を推進する

 2.地域の特性を考慮し、地域住民のニーズに合った活動を検討し、訪問看護ステーションの役割を広げる

 

Ⅱ.主な活動報告

 1.各地区支部会を年に2~3 回開催し、目標に沿った活動の取り組みを行う。

 2.各委員会と共同して、協会が実施する活動に協力する。

 3.地域行政の災害体制など、地区支部として行政と災害時の協定を結べるよう情報発信し連携に繋がる支援を行う。

 

災害対策委員会(概ね2ヶ月に1回開催)

 

Ⅰ.活動目標 

 1.地域共生社会において地域での災害看護の役割が行えるように、災害対策研修の企画、災害訓練を通してステーションの防災対策、支援内容を検討する

 2.災害対策に活用できる「災害時対応マニュアル」改訂版を作成し発行する

 3.災害時ネットワークシステムの運用を検証し、災害時のネットワーク体制を構築する

 

Ⅱ.主な活動内容

今年度も訓練係、マニュアル係、ネットワーク係に分かれ、活動した。

 1.地域の防災意識を高めるために、2023年11月25日に災害訓練として「事前対策と訓練を考えよう」をオンラインで実施し、32名の参加があった。参加者の9割が、事業所管理者と災害担当者を占めていた。アンケート結果では、研修参加の満足度も高く、95%が理解できたと高評価だった。

 2.災害の知識、事前準備、発災時のライフラインの情報収集や行動、利用者の自助力を高める内容を含めた「災害時対応マニュアル」改訂版を作成中である。追加修正の段階にある。

 3.災害時ネットワークシステムについては、委員内で既存のシステムで模擬訓練を実施した。結果から課題抽出を行い、システム改善の検討を行った。パソコンだけではなく、スマートフォンからで入力できることも検証した。

 

訪問看護将来ビジョン構想プロジェクト(概ね1ヶ月に1回開催)

 

Ⅰ.活動目標

1.「東京都の訪問看護将来ビジョン~2025年に向けて~」をもとに、各委員会のアクションプランの進捗管理ならびに目標達成度を評価し、令和6年度の東京都訪問看護ステーション協会の事業計画につなげる

2.プロジェクトとして未着手である、ビジョン1「訪問看護サービスの安定的供給を目的とした人材確保と定着」目標「訪問看護師が定着できる、働き続けたい訪問看護ステーションづくりを支援する。」に対する3つのアクションプラン「離職率の低い訪問看護ステーションの働き方をモデルとして、働き方改革を提案する。」「50歳以上の訪問看護師が無理なく働き続けられる職場づくりの提案をする。」「臨床経験の浅い看護師がフォローされる職場モデルを提案する。」に対し、具体的な取り組みを進めていく

 

Ⅱ.主な活動内容

 1.地区支部委員会と共に、「人材確保と定着」をテーマに管理者交流会を企画、オンラインで開催した。

 2.令和5年度11月にアクションプランの進捗状況を各委員会から報告していただいた。これをもとに令和6年度東京都訪問看護ステーション協会の活動方針を検討した。また、各委員会にも令和6年度の活動計画の検討を依頼した。

 

組織見直し委員会 (概ね8~10回開催)

 

Ⅰ.活動目標

協会を将来に向かって継続的・発展的に維持できる組織体制を作る

 1.定款、委員会規約、諸規約・規則等ついて確認・見直し

 1.災害時の東京都訪問看護ステーション協会の役割の明確にする

 

Ⅱ.主な活動内容

 1.継続的・発展的に維持できる組織体制のため、①会長は会員からの選出の必要性であり、委員会委員長、理事を経験後に会長に就任した場合、会長の任期が短期となる可能性があること、②昨年、今年と新しい理事が就任されたが任期満了が同時期となる可能性がある。このため、定款を一部改訂し、第5章役員 第22条 一定の期間(1年)を設ければ再任を妨げないとした。また、職能団体として看護師の割合は守る必要があるため、理事は看護職であることを要件とした。

 2.災害時の東京都訪問看護ステーション協会の役割と組織体制を災害対策委員会と共に検討しながら、協会のBCPの作成に着手した。

 

行政及び外部委員会との協働

 

Ⅰ.活動方針

 地域包括ケアの一員として、行政及び関係団体・多職種との連携協働を深める。

 

Ⅱ. 活動実績

A.行政からの委託事業

1.東京都医療的ケアの必要な児童・生徒の通学車両整備事業(東京都教育庁)(平成30年7月~受託)

 1)令和5年4月~令和6年3月まで 実施分

   (1)基本的に訪問看護を契約している児童・生徒を対象に支援した。

   (2)対象となる契約児童がいるステーションが、協力可能な範囲で依頼した。

   (3)対象学校数 18校  協力ステーション数 43事業所

    ・対象児童・生徒:62コース 

    ・実施回数合計  登校便 6,297回  下校便 3,983 回 

2.東京都新型コロナ感染症自宅待機者への訪問看護」事業(東京都感染症対策部)(令和3年8月~令和5年5月8日)

 1)令和5年4月1日~令和5年5月8日 実施分

   (1)協力市区 28市区

   (2)協力ステーション 170事業所

   (3)訪問実施総数

    ①自宅療養者(医師の指示) 306回

    ②自宅待機者(保健所依頼) 407回

3.東京都難病患者在宅レスパイト事業(令和5年4月~受託)

   (1)協力ステーション 173事業所(東京都登録)

   (2)レスパイト訪問実施数 296件

4.墨田区委託事業

 1)認知症初期集中支援事業 (平成31年~受託)

   ・支援対象者 17名

   ・訪問支援  233回

   ・チーム員会議12回

 2)墨田区多職種連携研修 (平成31年~受託)

   ①研修会企画会議

   ②研修会実施「多職種連携で共生社会を考える~認知症編~」集合研修(すみだ女性センター)

     参加者 75名(医師、薬剤師、ケアマネ、訪問看護師、理学療法士、作業療法士)

  3)在宅人工呼吸器療養者の災害時支援マニュアル作成 (令和2年~受託)

    ・新規4件、更新新規0件、更新9件)

  4)新型コロナ関連(令和3年~令和5年終了)

   ①自宅待機者への状態観察対応派遣 4月 3件

   ②新型コロナワクチン接種支援5月9月10月 4会場へ延べ 313名協力

                   

5.文京区委託事業(文京区地区支部)(令和2年~受託)

  1)認知症ともにパートナー事業事務局契約

    ・実績  65件

    ・会議  12回

6.北区新型コロナ健康観察事業令和4年~令和5年5月8日 

  ・電話観察 894回

  ・訪問観察  30回

7.港区との契約(新型コロナ感染者への訪問看護について)(港区地区支部)令和4年~令和5年5月8日

  ・令和5年4月 1件

8.杉並区との契約(新型コロナ感染者への訪問看護について)令和4年4月~令和5年5月8日 

  ・防護物品等の配布あり

9.足立区との契約 足立区(認知症)伴走事業  令和5年4月~

  ・電話 18件       ・初回訪問 21件 

  ・訪問(30分未満)  13件  ・訪問(30分以上1時間未満)  78件

10.東久留米市立学校での医療ケア 令和5年4月~受託

  ・3ステーションで支援   医療ケア 計 294回

 

B.外部委員会活動

1.東京都看護協会看護フェスタ実行委員会 (推進委員会)

2.訪問看護連絡協議会全国会議(日本看護協会)(会長、副会長)

3.全国都道府県訪問看護連絡協議会交流会(全国訪問看護師事業協会)(副会長)

4.関東甲信越訪問看護ステーションブロック会議 (副会長、地区支部委員長)

5.東京都看護管理者連絡会幹事会議  (理事)

6.東京都看護管理者連絡会研修会   (理事)

7.東京都特殊疾病対策協議会・医療連携支援対策部会(会長、副会長)

8.東京都小児慢性特定疾病対策地域協議会 (理事)

9.東京都在宅医療推進フォーラム実行委員会(会長、副会長)

10.東京都薬剤師会「訪問看護ステーション・ケアマネジャー・医療機関等との連携による在宅医療薬支援事業関係者連絡会」(副会長)

11.東京都医師会「地域包括ケア委員会」;(毎月第4木曜日)(会長)

12.東京都医師会「東京都多職種連携連絡会」(毎月第2木曜日)(会長)

13.東京都地域構想会議「在宅ワーキング」年1回 (各ブロック代表者12名)

14.東京都新型コロナウィルス感染症対策医療介護福祉サービス等連携連絡会(会長)

15.東京都予算に関する要望提出(東京都看護協会・東京都看護連盟と協働)

 東京都・都民ファーストの会・自由民主党(都議会・本部)公明党・立憲民主党・共産党(会長・副会長で分担)

16.東京都ナースプラザ運営会議 (会長)

 

 

その他協会の活動

1.ホームページ上 会員マイページ活用の推進

 災害情報等報告システム等 

2.メルマガ配信  月1~2回(計20回)

 

 

令和6年度東京都予算に対する要望について

 

3年以上に及んだコロナ禍では、改めて保健医療従事者の確保の重要性が認識されました。  我が国では少子高齢化が急速に進んでおり、2040年問題に象徴される生産人口の減少に伴う看護職確保の困難という深刻な課題が、我々に投げかけられています。 また首都直下型地震の発生や新たな感染症の流行など今後の健康危機への対策も一層進めていかねばなりません。 これらの課題に備えるべく看護提供体制の基盤強化を強く要望いたします。

 

1.持続可能な地域包括ケアシステム完成にむけた看護職の確保と看護の質向上について

日本看護協会の調査では、2021年度の看護職の離職率は前年度より上昇し、更に2022年度も状況の改善はみられない。看護職の勤務環境整備のため以下の支援をお願いしたい。また国に対してもこの旨要請されたい。

(1)看護職の処遇改善と働き続けられる勤務環境づくりへの支援(重点要望)

 2022年10月に診療報酬改定により看護師処遇改善評価料が新設された。しかし対象となる医療機関が限定されておりその効果は限定的である。

 看護職がそれぞれの職場において安定した環境で勤務が続けられるよう更なる支援の拡大と、すべての看護職の処遇改善に努めていただきたい。また国に対しても強く要請されたい。

(2)看護管理能力の向上をめざした生涯学習への支援(重点要望)

 コロナ禍では看護管理者のマネジメント能力の重要性が改めて認識された。今や医療機関・保健所・訪問看護ステーション・高齢者施設・地域包括支援センター等で活躍する管理的立場の看護職が多数いる。そしてこれらの看護職は研修時間の確保も難しい現状にある。これら管理的立場ある看護職を対象とした、マネジメント能力育成のため研修等への支援をお願いしたい。

(3) 保健活動に対する諸問題への支援

 社会環境の変化や健康課題の複雑化・多様化に伴い、保健師の活動領域は拡大しており、以下の課題に対して支援されたい。

 1)保健師の人材確保・定着促進

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、特に保健所における保健師の体制強化が喫緊の課題となり、この人材確保・定着は引き続き重要な課題である。地域の健康危機管理体制を確保するため、保健所に総合的なマネジメントを担うことのできる保健師を配置されたい。

 2)自治体保健師の人材育成について

 厚生労働省の通知により、自治体は所属する保健師に対し研修等でより体系的な人材の育成に努めることとされている。都においては、都・市・特別区における自治体保健師の標準的なキャリアラダーを提示するなど体系的な人材育成体制の構築に努められたい。

 3)産業保健に従事する保健師等看護職に対する教育の機会の確保

 産業保健分野に従事する看護職は、労働者の健康を守る重要な役割を果たしている。しかし一人職場が多いため、研修を受講する機会が少ない現状にある。日頃の保健活動を通じてのいわゆる健康無関心層への働きかけがより重視されてきており、非正規雇用の看護職も対象とした研修の機会を確保されたい。

 4) 精神保健福祉体制の充実について

 精神科病院の看護師による入院患者への不適切な行為があった。これを抑止するには、精神看護職の倫理教育の徹底、精神保健福祉にかかわる専門性の高い看護職の育成強化、また看護職自身のメンタルヘルス確保などの施策が重要である。さらに現場をマネジメントする看護管理者への支援強化、第三者評価受審の推奨も必要である。東京都においては上記のほか、精神看護を専門とする専門看護師・認定看護師の活用に努めていただきたい。

 5) 医療機関・施設等でのカスタマーハラスメント対策(重点要望)

 2022年10月の埼玉県ふじみ野市での立てこもり・医師等殺傷事件など患者から医療従事者への暴力事件が報道された。都の医療・福祉・保健の現場でも、これまでもカスタマーハラスメントの発生が確認されており、その対策は喫緊の課題となっている。東京都においてはこの3月、サービスや商品を提供する企業を対象にカスタマーハラスメント対策支援の取組がはじまった。ぜひ医療従事者に対しても、相談窓口の設置、ハラスメント防止のための研修や対策マニュアル作成など、医療従事者が直面する患者や利用者からのハラスメント対策を講じられたい。

 

2.多職種間のタスクシフト実現のため、専門性の高い看護職の育成と活用の支援

(1)特定行為研修修了者の活用の推進について

 地域包括ケア構築の一層の充実という視点から、特に訪問看護ステーション、介護保険施設などでの特定行為研修修了者の更なる活用推進を図られたい。また特定行為研修の推進については、これまでも教育機関への支援、研修費の助成などが実施されており、これらの一層の充実を図られたい。

(2)外来看護の機能強化

 地域における健康と療養を支えるためには、特に医療機関から在宅療養へのつなぎ目となる療養支援等の看護機能が重要となる。このため診療報酬上で外来看護師の配置が評価されるよう国に働きかけられたい。また、医療機関の外来機能強化のためにもこれら看護職の生涯学習の拡大を支援されたい。

(3)多職種間のタスクシフトにより生じる看護職への負担の緩和

 看護業務の担い手としての看護補助者の配置が診療報酬上で評価されており、看護補助者を対象とした研修、看護補助者と看護職との協働を推進するための看護管理者研修なども多くの医療機関で実施されている。しかし看護補助者の離職は恒常的な課題となっており、看護補助者の就業、定着確保に更なる支援をお願いしたい。さらに 膨大な医療データの統合・分析などでのDX(デジタルトランスフォーメーション=デジタル変革)の推進、臨床現場でのICT(情報通信技術)の活用などにより看護業務の大幅な負担軽減が期待されており、これらの一層の推進に努めていただきたい。

3.2040年の社会を見据えた、全世代の健康を支える看護機能の強化と医療提供体制の実現について

(1)健康危機管理体制の整備

今後の新興感染症の発生や大規模自然災害に備えるためには、平時からの健康危機管理体制の整備が必要なことは言うまでもない。これらに対応するための看護専門職育成に充分な支援を検討されたい。特に首都直下型地震にも対応できるよう体制整備を進めていただきたい。

(2)切れ目のない子育て支援について

 子育て支援事業は区市町村が実施主体となり実施されている。しかしサービス内容、利用者費用負担等の地域格差が課題となっている。特に産後ケア事業では、利用者に切れ目のない良質なサービスを提供することが不可欠である。東京都において自治体間でのサービスの標準化を図るとともに、具体的な利用者ニーズに応えるためそれぞれのサービス提供施設への支援を検討されたい。

(3)ACP(アドバンス・ケア・プランニング)への当協会の活用

 東京都が本年2月に実施したACPについてのアンケート調査では、ACPについて「知らない」と回答した人が6割、「人生の最終段階で受けたいもしくは受けたくない医療ケアについて家族や医療従事者等と話し合ったことがない」と答えた人が6割であった。看護職は人生の最終段階においてその人に寄り添いながら支援していることから、ACP推進会議体への東京都看護協会の参画を希望する。

(4)看護基礎教育4年制化について

 医療の高度化、地域完結型医療推進に対応するためには、看護教育の拡充は時代の要請である。地域を支える看護職にはより広く深い学びが欠かせず、そのため修業年限の延長は必須である。「看護基礎教育4年制化」を国に要望されるとともに、東京都においては、これを都立大学や都立看護専門学校で率先して実施されたい。

(5) 准看護師養成停止について

 准看護師制度での教育内容は、今日の医療ニーズに対応し多職種と協働するなどの役割を果たすには十分ではない。安全な医療の確保の観点から准看護師養成を停止し、看護師への移行に力をいれるよう東京都として取り組むとともに、国に対して働きかけられたい。