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2026年度加入ステーション数
(2026年07月02日現在)
656ステーション

活動方針

東京都訪問看護ステーション協会は、2022年6月に「東京都の訪問看護将来ビジョン~2025年に向けて~」を策定し、各委員会を中心に取り組みを進めてきました。

近年、少子高齢化の進展や医療の高度化に伴い、在宅医療のニーズはますます高まっています。訪問看護は、このような社会情勢の変化に対応し、地域住民が安心して在宅で生活できるよう、重要な役割を担っています。しかしながら、訪問看護を取り巻く環境は日々変化しており、訪問看護ステーションの新規開設が増える一方で、閉鎖・休止するステーションも一定数あり、訪問看護師の人材定着や個々のスキル向上、更には地域における訪問看護ステーション全体の資質向上への影響が懸念されます。また、訪問看護ステーションが機能を広げ、地域住民を対象とした保険外事業の提案や企画・運営に携わるなど、先駆的な取り組みを進めていますが、地域差が生じています。

これらの現状を踏まえ、令和7年度は3つのビジョンに向けた活動を推進すると共に、過去3年間の取り組みを評価し、2030年に向けた訪問看護将来ビジョンの策定に取り組みます。あらゆる機会で会員の皆様の声を聞き、課題を整理し、検討を重ねていきます。

<訪問看護サービスの安定的供給を目的とした人材確保と定着>

訪問看護師があらゆる場面で活躍し、訪問看護に従事し続けられるよう、人材育成や訪問看護の魅力の発信に取り組み、訪問看護ステーションの運営支援や管理者支援体制の構築に注力します。

  • 新卒・未経験者を育成する体制の強化
  • プラチナ世代を中心とした人材資源の活用の推進
    • 訪問看護ステーションの課題解決に向けた管理業務の支援
    • インターンシップ等の体験機会の提供
    • 病院看護師と連携した訪問看護の魅力の発信

<訪問看護の資質の向上>

都内の訪問看護ステーションの訪問看護師が、専門職としての能力の維持・向上に取り組み、訪問看護ステーション全体の資質が向上するよう努めます。

  • 訪問看護キャリアラダーの導入支援および活用の推進
  • 都内の訪問看護ステーションの相互連携や、専門性の高い看護師・セラピストとの協働促進

<訪問看護の機能拡大>

訪問看護ステーションが持つ機能を活かし、都内の各地域における課題に応じた取り組みを推進し、都民が安心して暮らせる地域づくりに貢献します。

  • 災害対策マニュアルの改訂および災害時ネットワークシステムの構築
  • 先駆的な取り組みを進めている地域の知見や工夫の共有

理事会(2回開催)

第1回(令和8年3月23日)

審議事項

  1. 次年度計画について
  2. 次年度予算について
  3. 監事の辞退について
  4. 総会(事業報告会)6月20日(土)

第2回(令和8年5月28日)

審議事項(総会)

  1. 令和7年度実績・決算報告について
  2. 令和8年度計画・予算案について
  3. 理事・委員の交代について

総務会(9回開催)

第1回(令和7年7月25日)

審議事項

  1. インスタグラムの活用と利用規定について
  2. 東京都在宅療養支援医協会からフォーラムのお知らせと共催名義依頼について

第2回(令和7年9月24日)

審議事項

  1. 地区支部委員活動費について
  2. 年会費の納入方法に関して(口座振替システム導入に関して)
  3. 委員会等の改変に関する検討について
  4. 研修委員長交代(代行)の件

第3回(令和7年10月29日)

審議事項

  1. 会費の納入方法に関して
  2. 委員会等の改変に関する検討について

第4回(令和7年11月25日)

審議事項

  1. 委員会等の改変に関する検討について
  2. 運営会議での検討結果

第5回(令和7年12月23日)

審議事項

  1. 委員会等の改変に関する検討について
  2. 準会員の打診

第6回(令和8年1月29日)

審議事項

  1. 委員会等の改変に関する検討について
  2. 赤字解消策について
  3. 精神科訪問看護研修基礎編の終了について
  4. 墨田区災害医療対策事業補助金20万円について
  5. 墨田区公衆衛生協力団体等支援金給付事業(290万円)の実施について
  6. 地区支部と行政との委託事業における事務局経費について
  7. 都内訪問看護ステーションの不正請求防止と業界信頼性向上に関する取り組みについて
  8. ハラスメント対策に関する調査について
  9. 準会員の打診希望(株式会社ENBASE)

第7回(令和8年2月25日)

審議事項

  1. 次年度計画について
  2. 委員会等の改変に関する検討について
  3. 総会(事業報告会)6月20日(土)
  4. 監事の辞任について
  5. 墨田区からの委託事業継続の問い合わせについて

第8回(令和8年3月23日)

審議事項

  1. 総会開催要項
  2. 令和8年度事業計画・予算の確認
  3. 理事・委員会の委員の交代について

第9回(令和8年4月23日)

審議事項

  1. 総会開催要項
  2. 令和7年度事業実績の確認
  3. 理事・委員会の委員の交代について
  4. 協会災害時BCPについて

訪問看護推進委員会(7回開催)

Ⅰ. 活動目標

  1. 都内の訪問看護への就業を促進するために、より多くの看護学生が訪問看護師になるための道筋が立てられるよう支援し、体験の機会を増やす。
  2. その人らしさを支え、切れ目のないケアを提供するために、病院看護師に訪問看護を知ってもらい訪問看護の活用と訪問看護への興味、関心を促す。
  3. 都民が安心して暮らせるよう訪問看護をもっと知ってもらい、潜在看護師や今後看護師を目指したい学生へも訪問看護の魅力を発信する。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 訪問看護体験会をオンラインと現地で開催した。申し込み8名のうち現地参加者は4名(うち2人はオンラインでも参加あり)、訪問看護への興味がありいずれ訪問看護師になりたい学生も含め、もっと知りたいという学生の希望に応えることができた。
  2. 病院の連携室や病棟看護師と顔の見える関係を築けるための座談会を、基礎編・応用編と開催した。アンケート結果より、訪問看護と病院との情報交換だけでなく、病院同士の意見交換の場にもなった。ざっくばらんに話せる機会の創出ができたという意見がもらえた。
  3. 毎年行われる看護フェスタに参加した。毎年高校生の参加が増えており看護師になりたいだけでなく、訪問看護に興味・関心が広まっていることが伺えた。また、健康に興味のある都民の方々が参加されており、より多くの方に訪問看護を知ってもらうきっかけとなった。

広報委員会(10回開催 定期・各担当会議)

Ⅰ. 活動目標

  1. 色々な手段を活用して広報活動を行い、会員や医療機関・医療従事者・都民などに向けて、協会内活動や情報発信などを行い、訪問看護の啓蒙活動や協会の普及活動を実施する。
  2. 関係する委員会と協力して協会の新しい組織を構築し、魅力ある協会づくりをしていく。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 協会運営や委員会活動が見える広報誌(そわにえ)を7月と1月に作成し、各団体、医療機関(連携室含)、保健所・保健センター等の関係機関、看護養成教育機関へ配布した。
  2. ホームページやソーシャルネットワークを活用し、協会委員会活動や訪問看護活動等の情報発信を強化した。
  3. ホームページを活用し、訪問看護活動やサービスを受けている利用者紹介の動画配信をした。
  4. 訪問看護師の業務機能拡大や活用方法を医療機関や関係機関、都民、訪問看護に興味のある看護師に向けて紹介をした。
  5. 協会内委員会に向けて、広報アイテムの活用・運用方法等を紹介した。

研修委員会(9回開催)

Ⅰ. 活動目標

  1. 目的を明確にした実践的な研修の企画
    東京都訪問看護ステーション協会が提供する研修の目的を明確にし、他の民間研修では学べない内容を取り入れることで、事業所の運営やサービスの質を向上させる。
  2. 看護師の成長を支える研修の実施
    中堅看護師がキャリアアップできるよう支援し、教育指導のスキルを高める研修を実施。また、初心者向けの技術向上研修を行い、事業所全体のケアの質を高める。
  3. 専門職との連携強化と活躍の場の拡大
    訪問看護事業所におけるセラピストとの連携を深める研修を企画。また、専門看護師・認定看護師・特定行為研修修了者が実践でより活躍できるよう支援する準備を進める。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 教育の補助となる研修の実施
    1. 精神科訪問看護研修 基礎編 3回/年(算定要件研修)
    2. 保険請求業務研修 オンデマンド配信
    3. キャリアラダーの活用 オンデマンド配信
  2. キャリアラダーに沿った研修の実施 以下の研修を企画・実施。実績は研修実績表を参照。
    1. 新任訪問看護研修「訪問看護きほんの『き』」 オンデマンド配信
    2. 初心者向け リンパ浮腫研修「在宅における下肢の浮腫ケア」
    3. 初心者向け フットケア研修「在宅でのフットケア」
    4. 中堅者向け 実習指導者研修
    5. 熟練者向け セラピスト合同研修

※研修委員会から会員のステーションに対しアンケートを実施、今後も求められる研修を実施できるよう今後に生かしていきたい。

地区支部委員会(月1回・全体会2回開催、各地区支部での活動)

Ⅰ. 活動目標

  1. 地域共生社会構築に向け、地域の保健福祉医療事業に訪問看護ステーションが積極的に関わるよう地域行政、他職種との連携を推進する。
  2. 地域の特性を考慮し、地域住民のニーズに合った活動を検討し、訪問看護ステーションの役割を広げる。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 地区支部委員会を9月6日に実施し、各地区支部の委員による活動が推進できるよう独自の取り組みを発表、及び交流会を実施した。
  2. ビギナーズブックの改定と配布、及び協会ホームページに加盟している専門性の高い看護師の掲載をした。
  3. 多摩エリアの潜在看護師に向けて、10月4日「訪問看護の世界」を開催し、会長の篠原かおる氏や現役訪問看護師にそれぞれの年代の働き方に関して講演会を通して啓発活動を実施した。

災害対策委員会(全体会12回開催、他に各係での活動実施)

Ⅰ. 活動目標

  1. 地域共生社会において地域での災害看護の役割が行えるように、災害対策研修の企画、災害訓練を通してステーションの防災対策、支援内容を検討する。
  2. 災害対策に活用できる「災害時対応マニュアル」改訂版を完成し、ホームページの会員マイページに掲載する。
  3. 当協会の災害対策に対応した災害時ネットワークシステムの運用を検証する。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 地域の防災意識を高めるため、2025年11月29日(土)に災害対策訓練として「東京で災害が起きたらどう守る?どう繋がる?」を集合で実施した。管理者と災害対策担当者を主な対象者として開催し、88名の参加があった。講義とグループワークを行い、研修後のアンケート結果では、約90%が有意義・非常に有意義だったと回答を得られた。
  2. 災害の知識、事前準備、発災時のライフラインの情報収集や行動、利用者の自助力を高める内容を含めた「災害時対応マニュアル」改訂版が完成し、ホームページに掲載した。
  3. 事前にマイページのID・パスワードの把握をして災害対策訓練への参加を周知したため、スマートフォンからホームページの災害時ネットワークシステムに実際に入力する研修が行えた。

訪問看護将来ビジョン構想プロジェクト

〇運営会議と合体し、ステーション協会の今後の方向性について検討していくこととした。

運営会議(6回開催)

(訪問看護将来構想プロジェクトと組織見直し委員会を統合し改変した)

Ⅰ. 活動目標

協会を将来に向かって継続的・発展的に維持できる組織体制を作る。

  1. 定款、委員会規約、諸規約・規則等について確認・見直しをする。
  2. 災害時の東京都訪問看護ステーション協会の役割を明確にする。

Ⅱ. 主な活動内容

  1. 継続的・発展的に維持できる組織体制のため、ステーション協会のあるべき方向性と委員会組織等の改変について検討し、総務会と合同で次年度へ向けて具体化することにした。
  2. 災害時の東京都訪問看護ステーション協会の役割と組織体制を災害対策委員会と共に検討しながら、協会のBCPについて検討した。

行政及び外部委員会との協働

Ⅰ. 活動方針

地域包括ケアの一員として、行政及び関係団体・多職種との連携協働を深める。

Ⅱ. 活動実績

A. 行政からの委託事業(令和7年4月1日~令和8年3月31日)

1. 東京都医療的ケアの必要な児童・生徒の通学車両整備事業(東京都教育庁)(平成30年7月~受託)

  • 基本的に訪問看護を契約している児童・生徒を対象に支援した。
    • 対象学校数:19校
    • 協力ステーション数:55事業所
    • 実施回数合計:
      • 登校便:8,909回
      • 下校便:5,621回

2. 東京都難病患者在宅レスパイト事業(令和5年4月~受託)

  • 協力ステーション:201事業所(東京都登録)
  • レスパイト訪問実施数:1,389時間

3. 墨田区委託事業(令和8年3月一般社団法人墨田区訪問看護ステーション協会設立のため契約は移行)

  1. 認知症初期集中支援事業(平成31年~令和8年3月)
    • 支援対象者:18名
    • 訪問支援:106回
    • チーム員会議:12回
  2. 墨田区多職種連携研修(平成31年~令和8年3月)
    • 研修会実施:墨田区多職種連携研修「多職種連携で共生社会を考える ~地域での自助・互助とプライバシー保護共存のジレンマ~」
    • 令和7年12月13日(土)集合研修(墨田共生社会推進センター)
    • 参加者:74名
  3. 在宅人工呼吸器療養者の災害時支援マニュアル作成(令和2年~令和8年3月)
    • 新規作成:3件
    • 更新(新規):2件
    • 更新:10件
  4. 墨田区地域移行支援事業業務委託(令和6年~令和8年3月)
    • 支援実施:0名
  5. 墨田区災害時医療協定(令和元年~令和8年3月)
    • 緊急医療救護証登録看護師:153名

4. 文京区委託事業(文京区地区支部)(令和2年~受託)

  1. 認知症ともにパートナー事業事務局契約

    • 実績:62件
    • 会議:12回
  1. 文京区保育園医療ケアバス支援(令和6年5月~令和8年3月)

    • 実績:112回

5. 杉並区障害者通園バス支援(令和6年6月~受託)

  • こすもす生活園:4ステーションで支援
    • 実績:登園便 447回 / 降園便 382回
  • なのはな生活園:3ステーションで支援(11月開始)
    • 実績:登園便 74回 / 降園便 74回

6. 東久留米市立学校、保育園での医療ケア(令和5年4月~受託)

  • 小学校:3ステーションで支援
    • 実績:327回
  • 保育園:4ステーションで支援(11月開始)
    • 実績:99回

B. 外部委員会活動

  1. 東京都看護協会看護フェスタ実行委員会(推進委員会)
  2. 訪問看護連絡協議会全国会議(日本看護協会)(会長)
  3. 全国都道府県訪問看護連絡協議会交流会(全国訪問看護師事業協会)(副会長)
  4. 関東甲信越訪問看護ステーションブロック会議(会長・副会長)
  5. 東京都看護管理者連絡会幹事会議(理事)
  6. 東京都特殊疾病対策協議会・医療連携支援対策部会(会長・副会長)
  7. 東京都小児慢性特定疾病対策地域協議会(理事)
  8. 東京都在宅医療推進フォーラム実行委員会(会長・副会長)
  9. 東京都薬剤師会「訪問看護ステーション・ケアマネジャー・医療機関等との連携による在宅医療薬支援事業関係者連絡会」(副会長)
  10. 東京都感染症対策連携協議会医療体制協議部会(副会長)
  11. 東京都医師会「地域包括ケア委員会」(毎月第4木曜日)(会長)
  12. 東京都医師会「東京都多職種連携連絡会」(毎月第2木曜日)(副会長)
  13. 東京都地域構想会議「在宅ワーキング」(年1回)(各ブロック代表者12名)
  14. 東京都予算に関する要望提出(東京都看護協会・東京都看護連盟と協働) 東京都・都民ファーストの会・自由民主党(都議会・本部)・公明党・立憲民主党・共産党(会長・副会長で分担)
  15. 東京都ナースプラザ運営会議(会長)

C. その他協会の活動

  1. ホームページ上 会員マイページ活用の推進(災害情報等報告システム等)
  2. メルマガ配信 月1~2回(計20回)

令和8年度東京都予算に対する要望について

日頃から東京都看護協会及び東京都訪問看護ステーション協会の事業にご理解とご支援を賜り深く感謝申し上げます。

我が国は2040年に向けて85歳以上の高齢者のさらなる増加により、医療・看護・介護の多様かつ複合的なニーズの増加が見込まれています。また、働く世代が減少する中、医療・看護・介護の担い手の確保は深刻な課題となっています。

地域医療構想による病床再編により、療養の場が病院から地域・在宅へと移行するため、地域包括ケアシステムの構築が進められています。「住み慣れた地域でその人らしく暮らすこと」を支えるため、看護職には更なる専門性の発揮が期待されています。看護職が変化する社会の期待に応えて、その専門性を高めるとともに能力を充分に発揮できるよう、看護提供体制の基盤強化を強く要望いたします。

1. 新たな地域医療構想に向けた看護提供体制の構築と看護機能の強化

(1)医療機関と高齢者施設や地域包括支援センター等との連携強化をめざした専門性の高い看護職の活用

「新たな地域医療構想に関するとりまとめ」によると、今後、医療・介護の複合的なニーズを持つ85歳以上高齢者の増加に伴い、在宅医療需要の62%増加が見込まれており、こうした高齢者を初期治療終了後、地域で受け入れていく(地域完結型医療)ためには、医療・看護・介護がこれまで以上に連携して、高齢者施設や在宅で安心して暮らせる体制を整備していく必要がある。そのため、引き続き地域包括ケアシステムの深化、推進に努めるとともに、専門性の高い看護師を、地域で活用する仕組みの構築を推進されたい。

  • ① 医療依存度の高い入所者や在宅療養者に対応するため、医療機関に所属する看護職(特定行為研修修了者・専門看護師・認定看護師)の地域での活用への支援 東京都は、専門的な資格を持つ看護職(特定行為研修修了者・専門看護師・認定看護師)の育成支援を実施されているが、専門性の高い看護師は規模の大きい病院に集中している現状にある。専門性の高い看護師を地域で活用するために派遣元となる所属施設への支援を検討されたい。
  • ② 医療依存度の高い入所者を受け入れる施設に24時間看護師配置をするための支援拡充 特別養護老人ホームには夜間の看護配置が義務付けられていないため、オンコール体制となっている。医療依存度の高い認知症高齢者の受入れや看取りへの対応をするためにも、24時間看護師配置に向け国へ働き掛けていただきたい。
  • ③ 高齢者施設等の提供サービスとケアの質の標準化を目的とする東京都による推進 これらの施設において、各専門職の活用とタスクシフトの推進に向け「原則として医行為ではない行為に関するガイドライン」に基づく、介護職員への医療技術の教育指導に看護師を活用されたい。
  • ④ 訪問看護・地域包括支援センターの看護職と医療機関の看護職の連携のための事業の推進 医療機関から在宅療養へのスムーズな移動に向けて、医療機関と地域包括支援センターの双方の顔の見える連携強化に向けた支援をお願いしたい。

(2)医療機関と訪問看護及び多様な施設間での患者(入所者)情報の共有によるシームレスな体制の構築

地域完結型の医療を進めるために多様な施設間で患者情報の共有が図れ、ケアが一貫して行われるようネットワークシステムの構築を推進されたい。

(3)首都直下地震など自然災害や新興感染症に備えるための災害時看護支援活動に関する支援

大規模災害や新興感染症に対する備えとして、法制化された災害支援ナース養成や、令和7年度から取組みが始まった潜在看護師等の活用については、対象者にきちんと情報が届くよう周知に努められい。

  • ① 災害支援ナース養成への支援の継続
  • ② 潜在看護師等の活用に向けた広報活動

(4)全世代の健康生活を支える医療・看護サービスの充実と地域格差の是正

  • ① 総合的なマネジメントを担うことのできる保健師の配置の推進 健康課題の複雑化・多様化に伴い保健師の活動領域は拡大している。地域の健康危機管理体制を確保するため総合的なマネジメントを担う保健師の配置を都内自治体に働きかけられたい。
  • ② 子育て支援とプレコンセプションケアへの助産師の積極的な活用推進 全ての男女が妊娠前から健康づくりを行うことができるよう、また、安心・安全で健やかな妊娠・出産・産後の健康管理を支援するため、助産師の積極的な活用を検討されたい。
  • ③ 医療的ケア児の受け入れ体制の充実 医療的ケア児が安全に学校教育を受けられるよう、医療的ケアを行う看護職員(学校看護師)の確保に向けて各自治体に働きかけられたい。
  • ④ 在宅療養の質向上に向け訪問看護ステーションへの高度機器(ポータブルエコー)の購入への支援 在宅療養患者への超音波検査は、排泄ケア、褥瘡ケアやフットケアを行う際の質向上につながっていることから、患者の状態をアセスメントする機器として支援を行われたい。

(5)看護業務の効率化と看護情報の共有、看護の質向上をめざしたDXを推進する施設への支援の拡充(重点要望)

看護業務はまだDXが進んでおらず、限られた人材で良好な看護を提供するために、AIを含めた先端技術を活用した業務の効率化とともに、活用する看護DX推進人材育成への支援の継続をお願いしたい。

  • DX推進のための看護職への教育支援
  • 積極的に取り組む施設への看護DX推進人材育成支援
  • DX推進のための標準規格の策定について東京都の積極的な働きかけ

2. 看護職の人材確保と処遇改善、生涯学習支援

日本看護協会の調査では2024年度の看護職の離職率は11.3%で前年度から微減という状況であった。少子高齢化の中、2040年に向けて看護人材を確保するためにも看護職が専門性を高めるとともに、臨床実践能力の向上を図り、その力を発揮していくための勤務環境改善など以下の取組みをお願いしたい。

(1)看護職の勤務環境改善と処遇改善(重点要望)

  • ① 医療機関はじめ、在宅・高齢者施設などすべての領域で従事する看護職(公衆衛生や産業保健、産後ケア施設、訪問看護、小中高などの教育施設も対象)の処遇改善について国への働きかけを検討されたい。 多くの看護職が勤務する病院は、物価高騰や働き方改革等により経営がひっ迫している状況にあり、看護職に対する人件費等の処遇改善や研修の機会等への影響が多大である。東京都においては病院への支援を行っているが、病院経営への支援を国にも働きかけられたい。
  • ② 看護職の働き方と学習環境に配慮した勤務体制、人事評価・賃金制度構築を実施する施設への支援拡充等を図られたい。 日本看護協会の実態調査からは、「夜勤時間72時間を超える夜勤者」の割合は34.3%に達しており、病院は夜勤専従者の導入などの取組みを行っているが、夜勤従事者の確保に改善はみられていない状況にある。また、病院によっては産休・育休を取得している割合が1割を越える場合があり、夜勤従事者の確保に苦労しているという事情がある。
    • 夜勤従事者への確保に向けた支援の拡充をお願いしたい。

(2)看護職の人材育成・確保と定着促進

  • ① 看護学生や経験年数の浅い看護師に対する支援の充実(重点要望) 現在多くの施設が看護師確保のため紹介会社を利用している状況にあるが、就職活動を始める看護学生の段階から、ナースプラザがより身近で頼られるような存在となることが必要である。また、就職から間もない看護師であっても、勤めている職場に定着させるうえで、メンタルサポートが必要となるとともに、今後の看護職としての歩みに関するキャリア相談に際して、きめ細やかな対応が行えるよう、eナースセンター機能の充実をお願いしたい。
    • (ア) 看護学生を対象とする就職支援の拡充
    • (イ) 新卒を含む看護師のメンタルサポートやキャリア相談への細やかな対応をめざしたナースバンク事業の充実
    • (ウ) 看護補助者の確保・定着の促進 看護補助者は特に資格を必要としない職種であり、業務内容があまり知られていないことから、その確保に向けて、ハローワークとの連携強化に向けて支援をされたい。
  • ② 地域・在宅医療を支える人材確保・定着
    • (ア) 自治体保健師の人材確保・定着 自治体保健師定着への課題として、必要な採用数が確保できていないとする自治体は91.7%に上っている。地域を支える自治体保健師の採用活動において、自治体保健師の活動内容について広く知らせるイベントなども有用であり、確保に向けた支援を検討されたい。
    • (イ) 産後ケアに対応できる助産師の育成 産後ケアの対象は出産後1年以内の母子の心身のケアや育児サポートへと広がっている。新生児期の母子に関わることの多い医療機関の助産師は対応に苦慮している現状にあり、産後ケアに対応できる助産師の育成にむけた支援をお願いしたい。
    • (ウ) 訪問看護師の定着支援 訪問看護ステーションで勤務する看護師の確保・定着策として、宿舎借り上げ支援の実施をお願いしたい。
  • ③ カスタマーハラスメント対策の推進(重点要望) 医療機関・施設へのカスタマーハラスメント対策については、令和6年度予算要望を行ってきたが、この4月からカスタマーハラスメント防止条例が施行された。条例施行に合わせて「各団体共通マニュアル」が作成されたが、一般的なものとなっていることから、医療機関の実情にそった共通マニュアルの整備を要望する。 また、訪問看護は利用者の自宅で看護職が一人でケアを実施しており、利用者からのハラスメントを受けやすい環境にあることを踏まえ、訪問看護対応中のハラスメント対策として以下の支援を検討されたい。
    • 医療機関等の実情を踏まえた共通マニュアルの作成
    • 訪問看護対応中の暴力への対策として防犯器機の購入への支援

(3)看護管理能力の高い看護職や専門的な資格を持つ看護職(特定行為研修修了者、専門看護師・認定看護師・認定看護管理者)育成への支援拡充

  • 特に200床未満の中小規模病院、慢性期機能の病院、訪問看護ステーション、高齢者施設等の支援を拡充されたい。
  • 日本看護協会の調査では、認定看護管理者によるトップマネジメント機能として「タスクシフト/シェアの実施」、「ICTの活用」などでの効果が報告されている。直近の課題を解決するため、中小規模病院での取得支援を図られたい。

(4)看護基礎教育4年制化

医療の高度化、地域完結型医療推進に対応するためには、最新の医療・看護水準を踏まえたより高度な専門課程が必要となっており、看護職の育成において修業年限の延長が必須である。そのため、「看護基礎教育4年制化」を国に要望するとともに、東京都においては、都立大学や都立看護専門学校で率先して実施されたい。

(5)准看護師の養成停止と看護師免許取得のための進学支援の充実

准看護師の教育内容は、今日の医療ニーズに対応し多職種と協働するなどの役割を果たすのには十分ではない。安全な医療の確保という観点から准看護師養成を停止し、看護師への移行に力を入れるよう東京都として取り組むとともに、国に対して働きかけられたい。 准看護師が看護師免許を取得するための進学支援を検討されたい。